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月に寄りそう乙女の作法を語る

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作品名:月に寄りそう乙女の作法

メーカー:Navel

キャラクターデザイン:西又葵 , 鈴平ひろ

シナリオ:森林彬 , 東ノ助 , 真紀士

ジャンル:恋愛ADV

総プレイ時間:20時間程

価格:9,037円(2019年12月1日アマゾン価格)

全年齢版:あり(PS4PSVita

公式サイト:https://project-navel.com/tsukiniyorisou/

 



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あらすじ

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日本の財界を代表する大蔵家の一族の非嫡出子として生まれた大蔵遊星は、望まれぬ子供として冷遇されて海外で育ってきた。母違いの兄・衣遠によって日本に戻されたはいいが、目指していたファッションデザイナーの才能がないとの烙印を押され落胆。そこへ、憧れの存在であるジャン・ピエール・スタンレーが設立する「フィリア女学院」の開校を知り、妹・りそなの協力を得、女装して入学することを決意。りそなの友人であり、新年度よりお金持ちだらけの特別教室へ入学する桜小路ルナのメイドとして、登校することとなった。

ルナが住む「桜屋敷」には、スイスからの留学生ユルシュール=フルール=ジャンメール、旧華族の家柄である花之宮瑞穂、遊星が少年時代に出会っていた庶民派社長令嬢柳ヶ瀬湊が、それぞれのメイドとともに住むこととなり、フィリア女学院へ通うこととなった。遊星は男性であることがばれることなく、過ごすことができるだろうか。

 

 

◯服飾という題材について

正直自分を含めたエロゲのメインプレイヤー層には馴染み薄いジャンルなんじゃないでしょうか(偏見100%)

なので正直最初のうちは主人公の小倉朝日が抱いている服飾に対する強い憧れ、思いに共感はあまりできませんでした。

しかしプレイを進めていくに連れて自分の抱いている純粋な情熱や夢とそれを重ねることができて、最終的に12月のフィリア祭にてそれが解き放たれる瞬間はカタルシスを感じることができました。

特に自分の抱えている葛藤と戦いつつデザイナーとして花咲くべく切磋琢磨するお嬢様たちの話は時々心に深く刺さりました。

 

◯才能と努力について

このゲーム、そしてシリーズ全体としてもよく取り上げられる題材ですね。

ありふれて新鮮味のない題材と言えばそれまでですし、身も蓋もない言い方をすれば主役は全員才能に恵まれていると言えるでしょう。

しかしそれはこのゲームだけではなく現実にも言えることですよね。我々は誰しも何かしらの才能を持っています。もちろんその才能の量は違っていて、時にあまりに高くて時に挫折しそうな壁もあります。

それを「あいつは才能があるから自分が負けるのは仕方ない」と納得させるのはとても簡単ですし、精神健康上良いでしょう。だって、1番というのはいつだって一人だけですから。

このゲームではそれができるほどずる賢くない、不器用な人々がいて、そのもがいている姿にとても共感することができました。中でもそれが如実に出ているユーシェルートは最高でしたね…

 

◯タイトルについて

明らかに某ルナ様のためにあるようなタイトルですよね、これ笑。

実際シナリオの出来だったり、メタ的な扱いも含めてルナ様は別格のヒロインですし、このタイトルが回収されるモノローグは素直に涙しましたので良いタイトルだと思います。

デザイナーとパタンナーの関係性、ルナ様と朝日の関係性、朝日班のそれぞれの関係性もタイトルから汲み取れますし、何よりこの物語が、屋根裏王子だった大蔵遊星が小倉朝日となり、真の意味で人に寄り添うための作法を身に着けるものだったというところに落ち着くのが最高にポエミーですね。

 

◯主人公について

最高。最強。

女装モノは主人公が可愛くなければ成立しないとはよく言いますが、そういう意味でこの作品は文句なしですね。

ビジュアル良し、健気な性格良し、心の奥に秘めている情熱良し、(エッチでの初さ良し)でもう文句の付け所がないですよ。

男とバレてから遊星として振る舞うところで私の朝日を返してくれーというルナ様の気持ち、よくわかりますよ。

いや、遊星も好感持てる良い男なんですけどね?

 

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美しい気持ちに包まれることができるゲームなので、ぜひおすすめです。

注意点としては…まあ、強いて言えば衣遠兄さまの毒が最初まあまあ強いのでそこだけ覚悟しといてくださいね笑