なつくもゆるる ざっくり紹介・レビュー
同じシリーズ(直接的繋がりはなし)はこちら!
作品紹介
概要
作品名:なつくもゆるる
メーカー:すみっこソフト
シナリオ:渡辺僚一
ジャンル:夏だからってゆるされない。ADV
総プレイ時間:20時間程
公式サイト:http://www.sumikko-soft.com/natsukuru/
ご購入はこちらから!
あらすじ
ヒッポカムポス機能不全およびBDNF発達障害。
通称、自殺病。
簡単に言ってしまえば自殺する可能性が高くなる病気。
壁川学園は、この病を発症もしくは発病前の学園生達を集めた、全寮制の学園。学園生達は夏休みの間、実家に帰ることが許されているのだけれど……。
新型咽頭結膜熱に感染してしまった当麻進は、病気から回復後も体内にウイルスが残っている可能性がある、という理由で2週間の外出禁止を命じられてしまう。当麻進と同じ理由で学園に残ることになったのは、
同室で人妻好きの三田舜。
スコップを振り回す狭霧紫穂。
生物部長の水名りね。
会長の鹿島ユウリ。
それと、
遊びに来ていて感染の疑いありと判断された妹の当麻姫佳。
合計6人。
2週間の外出禁止期間を学園内でそれなりに楽しく過ごしていた6人だが、ある日の夜、停電が発生。
停電の理由を探している中で、学園から教師も寮監も保健の先生もカウンセラーも、6人以外の全員が消えていることに気付く。
しかも、電気だけじゃなくて、ガスも水道も停止。6人は壁川学園の隣にある、壁川町へ出かけるが、そこで見たものは、誰もいない廃墟と化した街だった。
いったいここで何がおこっているんだろう?
どうしてこんな場所に自分達は取り残されたんだろう?調べていく中で少しづつわかっていく世界の秘密。
自殺病の本当の意味。
重力の異常。
狂っていく時間。夏休みの学園で見つけた、世界の終わり。
少しも嘘なんかじゃない、本当の世界の終わり。そして、世界の終わりを許さない、
少年と少女達の物語。
引用元:http://www.sumikko-soft.com/natsukuru/story.html
ひとことで言うと
ハイテンションロリっ子祭りから宇宙の真相まで
注目ポイント
テンポ良しギャグ良しの笑えるテキスト
変わり行く世界、その奥にある膨大な真実
個性的で一癖も二癖もあるキャラクター
個人的レビュー(感想:最高!)※微ネタバレ
総評
これは、世界の終わりを許さない、少年と少女達の物語
この作品の秀逸なところは、物語の落差です。
まず序盤ですが、変態で愉快なルームメイトとの会話し、可愛くてエキセントリックなヒロインとの出会い、それからもひたすらにテンション高めのドタバタ劇が続きます。
もちろんただそれだけではなく、同時にこの世界の異常性も示唆されます。例えば主人公の姉がどうやら相当な強者で、それに関連するトラウマがあるらしきことや、この学園が特殊な事情を抱えた生徒を集めた施設であること等…
ただ物語の勢いでその辺は全てふわっと処理されて、我々に「ちょっと変な学園だし、異常な状況だけど、まあこれはこれで楽しいじゃん!」と思わせるんです。前述の異常性でさえ物語のちょっとしたスパイスなんだろうな~と思っちゃうんです。
しかし、その全ては停電というイベントをもって劇的に変化します。
突如として訪れる停電、そして発覚する教職員がいないという事実、事態を確かめるべく赴いた街で感じる、世界の終わり。
あまりにも異常で現実離れした状況で、主人公達と同様我々も戸惑い、これからどうなるんだ?のソワソワが落ち着く間もなく、訪れてしまう物語の終わり。
あの後タイトル画面に戻され、「なつくもゆるる!」って声優さんが言うのをただ呆然と聞いたのは私だけではないはずです笑
いや~素晴らしかったですね、この落差。
序盤から少しずつ物語を巣食っていた狂気がこの世界全てに染み込み、気づいたらもう後戻りできない状況に来ているあの沼感、たまらないですね。
物語としてはこの後、各ヒロインのルートを進みながら、主人公やヒロインの過去、この世界の真相を一枚一枚丁寧に明かしていきます。ここの一枚一枚も中々ガツンと来るので、飽きずに最後までハマっていきましたね。
またこの作品は正しくループものではないのですが、似ている側面もあって、そういう視点で見るとループする度に世界そのものが大きく変わっているという点が非常に新鮮でしたね。
どういう意味かって言うと、例えばループものの美少女ゲームって世界そのものではなく、どのヒロインとより深く関わるかによって物語が変動するのが多いじゃないですか。前作のはるくるだってその方式でしたし。
しかしこのなつくるは世界そのものがガラッと変わっている状態で、もうほぼほぼそのヒロインを選ばざるを得ない世界線になっているという面白い形でしたね。
特に最後のルートなんかは世界がもう変わり過ぎて&ハチャメチャが過ぎて最初笑っちゃいましたよ。あのキャラが顕現した時は悪ふざけかな?と一瞬思っちゃったくらい笑
結末自体はまあ色々解釈あると思いますが、個人的には「これは、世界の終わりを許さない、少年と少女達の物語」というキャッチフレーズ通り、主人公とヒロインは(あのキャラも含めて)結局この世界を、人類を何が何でも絶対終わらせない!という強い意思、言い換えるならば歩き続けるための理由をを見つけることができた、という風に感じました。
いや~良い作品でしたね。
好きなシーン
序盤で一番好きなシーンは、上述の通り停電という異常事態を迎え、各自それぞれ対応している中、紫穂が無邪気に世界の終わりを喜ぶこの場面です。
それまでも確かに紫穂は変な子、という立ち位置ではあるのですが、ここの台詞で決定的に何かがズレているのがわかり、その狂気性が滲み出るんですよね。
この後、ただの停電から本当に世界の終わりへ物語が向かうのも含め、かなり印象に残った場面でした。
押しヒロイン
非常に悩みましたが…やっぱここは鹿島様ですね。
ツンと済ましている態度、強気な姿勢、その裏にある背景までもう魅力的で魅力的で。
みるさんの声も相まって一つ一つの台詞をもう何度も繰り返し聞いちゃいましたよ。
紫穂もとても好きなのですが、紫穂に吠えられたいか、鹿島様に痛みつけられたいか、選べって言うと後者ですね~笑
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
FANZA遊び放題でも出来ますし、定期的にセールもしている作品ですので、ぜひぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。